ある地点からレーザを発射し、対象物に反射して返ってくるその時間を精密に計測することで、機械から対象までの距離を知ることができます。同時にレーザの照射角度(上下および水平方向)も記録し、これを1秒間に何万点、何百万点と照射することによって、周辺の3次元的な形状情報を点群として、高密度、高精度に取得することができます。もともと工学分野で発展、利用されてきた技術ですが、最近10数年で地形学といった地球科学系の学問分野への適用も進んできました。本プロジェクトでは保有するレーザスキャナ機器を用いて、日本および世界の各所で高精細地形データの取得・解析を行っています。一部のデータはCSIS共同研究を通して、学術目的で多くの方にも利用可能です。
study sites of TLS surveys in Japan
多数の視点から撮影されたステレオペア画像を用いて、写真測量の原理でカメラ位置および対象物の3次元空間構造を復元する技術が「SfM多視点ステレオ写真測量」です。対象物によって、カメラを搭載するプラットフォームはさまざまであり(手持ち、ポール、UAV、etc)、適用範囲もミリメートルからキロメートルなど、さまざまなスケールで可能です。この技術自体の歴史は古く、数10年も前から主に計算機科学の分野で開発が進んできましたが、ここ数年で小型UAVの普及もあいまって、多くの分野で急速に適用されてきています。
小型の無人航空機(UAV、通称ドローン)の近年の発展はめざましく、従来の有人航空機による空中写真と比べ、UAVに搭載されたデジタルカメラを用いて、より高解像度で多様な視点からの空中撮影が可能となってきました。地形学を含む地球科学系の学問分野でも、その適用は急速に広まりつつあります。安全な運用と、有用なデータ取得を目指し、本プロジェクトでは「Open Drones Safety Manuals Project」も企画しています。
高精細地形情報の効率的な利活用をめざし、解析ツールの開発を行っています。